社長の峰政です。
皆様にご報告がございます。
シリーズとして8年間続いてまいりました
上越新幹線車内の広告「東京新潟物語」が、この3月、
現在掲載している広告で最終回を迎えます。
「東京新潟物語」は、2011年5月、東日本大震災の
大きな傷に日本中が混乱しているさなか始まりました。
企画段階より、東京と新潟という、挑戦していく
新しい「場」と自分をはぐくみ育ててくれた「故郷」
という2つを対比しながら、前に進んでいく気持ちを
描こうと始まったものでしたが、
東日本大震災からの復興という時代を受け、
この「故郷」というものの大切さに気付いていく
というところにより重きが置かれるようになりました。
広告は、上越新幹線という限られた空間の中で
展開されたものであるため、「東京」と「新潟」という
地理的条件がクローズアップされましたが、
これは皆様一人一人がもつ「新しく挑戦していくこと」と
「それを支えるこれまで培ってきた自分の資質」という
ことを象徴しているものだと思っています。
「それを支えるこれまで培ってきた自分の資質」として
わかりやすいのは、やはり、自分が生まれ育った故郷で、
シリーズでは「新潟」という地でした。
ご覧になった皆様、一人一人にある故郷を投影されたことと思います。
また、故郷だけではなく、共に歩んだ友情であったり、
一生懸命取り組んできた部活などであったり、
それぞれの心にあるよりどころが「新潟」として
描くことができたのだと思います。
一方、「東京」は新たなことに挑戦していくことでした。
それを象徴するのが東京という場所でしたが、
若い世代はもちろん、年をとっても、新たなことに
チャレンジする人というのは魅力的です。
こうした新しいことに挑戦していくひたむきさ、
気持ちに共感できる方が多かったのではないかと思います。
そんな「東京新潟物語」ですが、故郷というものは
変わってまいります。
東日本大震災から8年たち、多くの市や町が新たな
希望をもとに前に進み始めています。
上越新幹線にもE7系という新たな新幹線が導入されることになりました。
「東京新潟物語」という広告自体が、一つの心の
よりどころになっていたのだとすれば、
やはりそこから前に進んでいくことが
必要な時期が来たということだと思います。
最後の広告は、
「帰省から東京に戻る日は もう一度初心に帰って上京する日。」でした。
故郷は帰るたびに変わっていくでしょう、
自分が成長したことで見る目も変わってきます。
広かったはずの道路がこんなに狭かったと気づいたり、
新しい建物ができると前に何があったかわからなくなってきたり。
でも、そこに流れる本質はずっとかわりません。
私たちが描いてきた広告が、こうした皆様の想いとともに
あったとするならば、何よりのしあわせだったかと思います。
移り変わってしまう自らの「故郷」を胸に大事に
しまっているからこそ、新たなことに挑戦できる。
「東京新潟物語」が私たち吉乃川従業員と
吉乃川をご愛飲くださる皆様の大事な「故郷」と
することを強くお誓いして、今回のシリーズ広告を
終了させていただければと思っております。
「東京新潟物語」を、長きにわたり、ご愛顧いただき誠にありがとうございました。
2019年3月18日
吉乃川株式会社
代表取締役社長
峰政 祐己
いまの毎日を豊かにする「みなも」。
吉乃川30年ぶりの新ブランドです。
淡麗でありながらふくらみのある極みの一杯がその時をやさしく包み込みます。
「醸蔵」で造った
吉乃川のクラフトビール
よくあるご質問やキャップの開け方に関するご質問を掲載しています。
吉乃川が美味しく飲めるお店をご紹介しております。
2017~2024年に行ったフォトコンテストの作品アーカイブ集です。
吉乃川敷地内に「吉乃川 酒ミュージアム『醸蔵(じょうぐら)』」がオープンします。