幕末の時代、今日の長岡の礎を築いた壮漢がいた。
その名は、河井継之助、小林虎三郎、三島億二郎。
長岡藩政改革の後、武装中立を願うも談判が決裂し、
やむを得ず開戦へと突入、
新政府軍と戦って義を貫いた「継之助」。
戦後、焦土と化した長岡で産業や教育の立て直しを
図った「虎三郎」と「億二郎」。
彼らは幕末の荒廃した長岡の復興に尽力し、
後に「幕末維新の三傑」と呼ばれた。
「長岡偉人シリーズ」は、長岡が辿ってきた激動の歴史と、
混迷の時代を生き抜いた
彼ら三傑の生き様を体現するべく、
その味わいにこだわって丁寧に醸したお酒です。
酒米は、全て新潟県産米を使用。
「長岡偉人シリーズ」では、
それぞれのキャラクターをイメージした
酒質にこだわりました。
己の信条を研ぎ澄まして実践した継之助の切れ味鋭い手腕のごとく、新潟県開発の越淡麗を磨き上げて醸した「吟醸酒」。
米百俵の逸話に象徴される虎三郎の熱い教育精神に思いを馳せ、あえて飯米のコシヒカリを使って醸した「純米酒」。
自立復興の光「ランプ会」を率いた億二郎の類まれな叡智のごとく、五百万石を使って醸したプレミアムな「純米吟醸酒」。
北越戊辰戦争の際、継之助が実戦導入した当時の最新兵器「ガトリング砲」がモチーフ。圧倒的不利な状況においても、サムライとして守るべき揺るぎない矜持を、ガトリング砲で表現しました。
長岡市政100周年を記念し、継之助の生家跡に建てられた河井継之助記念館(長岡市長町)。
長岡藩家老にして北越戊辰戦争の軍事総督。“幕末の風雲児”ともいわれる河井継之助は、しきたりや刀槍にこだわる古いタイプの武士ではなかった。西洋の兵法兵器にもくわしく、当時、日本に三門しかない最新兵器ガトリング砲のうち二門を所持したのは、西洋砲術をもって敵の侵略を思いとどまらせる戦略。藩是『常在戦場』常に備えよ、の精神だった。
継之助はサムライの時代が終わり、新たな変革が来ることを認識しながらも、長年の徳川家への恩義、道理から「武装中立」の立場をとる。そして、ぎりぎりまで開戦回避につとめるも、小千谷談判で新政府軍と決裂をすると、時代は、開戦へと向かってしまう。日本を二分した激しい戦いのなかで継之助は命を落とす。
戦後、「義」を貫いた継之助の死を惜しむ声は敵味方を問わず多く聞かれた。くしくも同年齢で、ともに近代国家構想を夢みたであろう新政府軍薩摩藩の西郷隆盛は、「もしも今日世にあるならば台閣(内閣)に立つべきものを」と悼んだ。
北越戊辰戦争の後、長岡の真の復興は現状回復ではなく、未来を作ることだと主張した虎三郎。 近代教育の基礎を築いた「米百俵」の精神を積み上げた米俵をモチーフに表現しました。
1869(明治2年)、虎三郎が億二郎らとともに開設した国漢学校(四郎丸村昌福寺)。
北越戊辰戦争が終わり、再興された長岡藩の大参事となったのが、「米百俵」の逸話で知られる小林虎三郎。戦争で食べるものにも事欠いていた長岡藩へ支藩三根山から送られた義援米を食べずに売り、それを資金に「国漢学校」を設立するなど、長岡の教育のもとを築いた。
「国が興るのも、滅びるのも、まちが栄えるのも、衰えるのも、ことごとく人にある。だから、人物さえ養成しておいたら、どんな衰えた国でも、必ず盛り返せるに違いないのだ」
四郎丸村昌福寺を仮校舎にはじまった藩立「国漢学校」に、身分に関係なく入学がかなった若者たちは、近代国家づくりのための国学、洋学、医学などを学んだ。翌年、坂之上町に移転開校すると、明治維新政府の教育政策にすぐさま対応する洋学局と医学局も新設。教育に力をそそいだ虎三郎の志は、今も誇りとして、長岡人に語り継がれている。
明治初期、北越戊辰戦争で荒廃した長岡で身分をこえた協働組織「ランプ会」を生み、大参事として復興に尽力した億二郎。その熱い情熱を、燃えさかるランプの灯火で表現しました。
画像:長岡市立中央図書館所蔵
1876(明治9年)、億二郎らが旧産物会所に開設した女紅場。
戦禍の爪あとが残る長岡藩の大参事に就任した三島億二郎。長岡藩士8,500余人とその家族を飢えから救い、まちの経済を復興することが億二郎の使命だった。しかし、それまで安定した生活をしていた士族階級に、農業や商業をやらせようという明治政府の政策は、当時の長岡藩では大きな課題となっていた。
身分の垣根を超えて協働意識を芽ばえさせたのは、億二郎の豊かな人脈による各界各層の長岡人たちによる組織「ランプ会」だった。養蚕・織物、読書、算数などを女性が学べる「紅工場」をはじめ、「第六十九銀行(現北越銀行)」、「長岡会社病院(現長岡赤十字病院)」、「長岡洋裁学校(現県立長岡高等学校)」の設立など、億二郎らの「ランプ会」による新しい時代を照らす活動は、現在につながる長岡近代産業の礎となった。
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