主にパン酵母(イースト)をつくっている会社です。戦後まもない頃、パン食の普及が盛んに進められた時代に、もともと酒造りで酵母を扱っていた吉乃川にパン酵母をつくらないかと声が掛かり、酒蔵と同じ敷地内に酵母製造会社が設立されたそうです。2017年で創業70年になります。
純粋培養によって、安定した品質の酵母を効率的に大量につくるのが、私たちの仕事。お取引様より預かった特定の菌株を元に酵母を培養して製品化する、委託培養が主たる業務です。
耳かき1杯ほどの少量の菌に栄養を与え、だんだんと容器を大きくして酵母を増やしていきます。最後は栄養分を洗い流して脱水し、生きた酵母の塊をブロック状に成形して製品に仕上げる流れ。1日の生産量は製品重量で約15トンになります。
研究開発室は、菌株の管理と初期段階の培養、出来上がった製品の品質チェックを担当しています。
※酵母とは…単細胞の微生物(菌類)。糖分を分解してアルコールと炭酸ガスを生成する働きを持つ。酒などの醸造やパンの製造に用いられ、特性によって清酒酵母、ビール酵母、ワイン酵母、パン酵母などと呼ばれる。
中越酵母はパン酵母、吉乃川は清酒酵母と、扱う酵母の種類は違いますが、当社が培ってきた「純粋培養で酵母を増やす」技術は、実は吉乃川の酒造りにも生かされています。
ぶれのない安定した酒質で大量のお酒を仕込む「大型仕込み」を46年も前に実現できたのは、グループ会社で酵母培養のノウハウ共有があったからこそ。酒造りにおいて酵母は、味や香りに影響します。中越酵母の技術が間接的に、吉乃川の特長であるすっきりとしたお酒の味わいにも寄与しているのではないかと思います。
酵母製造専門の会社は現在、全国で4社だけ。中でも酒蔵のグループ会社というのは独特です。また中越酵母と吉乃川は合同研究室を設けていた時期があり、当社の研究開発室では昔から植え継いできた酵母の菌株を今も保管しています。
酵母を活用した商品開発や清酒酵母の育種研究など、両社の縁と特色を生かした新たなコラボレーションにも、これから取り組んでみたいです。
いまの毎日を豊かにする「みなも」。
吉乃川30年ぶりの新ブランドです。
淡麗でありながらふくらみのある極みの一杯がその時をやさしく包み込みます。
「醸蔵」で造った
吉乃川のクラフトビール
よくあるご質問やキャップの開け方に関するご質問を掲載しています。
吉乃川が美味しく飲めるお店をご紹介しております。
2017~2024年に行ったフォトコンテストの作品アーカイブ集です。
吉乃川敷地内に「吉乃川 酒ミュージアム『醸蔵(じょうぐら)』」がオープンします。