米の生産を手掛ける農産部は、「酒屋である以上は、清酒の原料である米を自分たちの手で作っていこう」という蔵元の川上浩司社長(当時)の強い意思があって発足しました。農産部による米作りは、2016年の夏に急逝した前社長から私たちに託された使命と思っています。
昨年は天候に恵まれ、品質の良い米がたくさん収穫できました。ことしも9月初め頃から酒米の「五百万石」の稲刈りが始まります。その後は食用米の「コシヒカリ」、酒米の「越淡麗」。稲穂が黄金色になってくるとワクワクしますね。農産部の皆で、丁寧に手を掛けてきた米です。期待が高まります。
5人の部員のうち2人はもともと稲作農家で、農閑期の冬は吉乃川の蔵で酒造りに長年従事してきた人たちです。米作りのプロである彼らの経験に学びながら、先駆的な新しいやり方も取り入れ、借り受けた計26ヘクタールの農地で酒米を主体に栽培しています。
吉乃川の酒になる米の栽培の一部を自分たちが担っているというのは、私ら農産部の誇りです。蔵の要望をフィードバックして米作りに生かし、酒造りをサポートしていきたいです。
昨秋、農産部として初めて収穫した、うちの五百万石だけで純米吟醸酒を特別に仕込んでもらいました。今は蔵で熟成中。どんな酒になっているか楽しみです。
長岡市越路地域と小千谷市の約200カ所に農地が点在するため、当初からタブレット端末と農業アプリを導入して効率的に生産管理を行う、ICT(情報通信技術)を活用した「新しい農業」を心掛けてきました。
現在の酒米の生産量は、自社の酒造りで使う量の5~6%ですが、これを将来は20%くらいに増やしたい。近々、農産部は農地所有適格法人に移行します。高齢化する地域農業の頼れる担い手となって、米の耕作面積を増やし、若手部員も増やしてゆく予定です。
米の乾燥・もみすり・選別を行う自前のライスセンターの整備も目標の一つ。また国際標準であるグローバルGAP(ギャップ・農業生産工程管理)の認証取得などにもトライしたいです。
米作りは、次代に残さなければならない技術です。経営の視点を持って米の自社生産に取り組み、ノウハウを蓄積し、次の世代へつなげてゆくのが、私の仕事と考えています。
いまの毎日を豊かにする「みなも」。
吉乃川30年ぶりの新ブランドです。
淡麗でありながらふくらみのある極みの一杯がその時をやさしく包み込みます。
「醸蔵」で造った
吉乃川のクラフトビール
よくあるご質問やキャップの開け方に関するご質問を掲載しています。
吉乃川が美味しく飲めるお店をご紹介しております。
2017~2024年に行ったフォトコンテストの作品アーカイブ集です。
吉乃川敷地内に「吉乃川 酒ミュージアム『醸蔵(じょうぐら)』」がオープンします。