吉乃川の代々の基本を忠実に守りながら、少しずつ自分の色を出していきたいし、いろいろやってみたいこともあります。でもまだ始まったばかり。「最高の酒」を造る、としか言えません。杜氏の永遠のテーマです。
酒造りは、何よりもチームワークだと思います。皆が気持ちよく仕事ができて蔵の雰囲気が良ければ、自然とお酒も良いものが出来る。「酒造り万流」という言葉があります。「今まで」だけに固執せず、若い世代の発想や感性を大事にしていきたいです。
家は東京で酒販店を営んでいました。家業を継ぐ前に酒造りを勉強したくて、高校を卒業した18歳で吉乃川の蔵に入りました。始めは2、3年したら帰る予定だったのですが。
蔵では皆がものすごく熱い気持ちで仕事をしていて、当時は各工程の長を務める親方なんかは、それぞれ強いこだわりがある。互いに譲らないから、ぶつかり合ってけんかもするけれど、向かうところは一つなんです。いい酒を造りたいと。
そうした職人かたぎの世界にすごく魅力を感じ、「自分は帰らずにここで酒造りをやっていくんだ」という気持ちになりました。
駆け出しの頃は、道具の洗いものばかりです。でも興味があるから各工程をのぞきに行くんですね。そうすると親方が機嫌の良い時は「ちっとやってみるか」って実地で教えてくれる。機嫌が悪ければ「おめぇなんか駄目だ。早く東京へ帰れ」なんて怒られっぱなしでしたが、私も負けず嫌いなので、めげずにずっと付いて行って。
蔵に入って、もう24年になります。
杜氏は酒造りの長であり、蔵のムードメーカーであると思います。少しおとなし過ぎる面もある今の若い人たちを盛り上げ、良いところを引き出せる、そういう杜氏でありたいです。
酒造りは、毎日同じことをやっていれば同じものが出来るというわけじゃない。そこを人の感覚で状態を見極め、微妙な加減をするのが職人技。数値やマニュアルでは管理できない、見たり触ったりして感覚で覚えてもらいたい部分が多々あるんです。
きちんと伝えていくには、やはり皆が気持ちよく何でも言い合える雰囲気がないと。いい雰囲気なら若い人たちも興味を持って日々の仕事に臨めるだろうし、その中で酒造りの感覚がだんだん分かってくるのではと思います。
いまの毎日を豊かにする「みなも」。
吉乃川30年ぶりの新ブランドです。
淡麗でありながらふくらみのある極みの一杯がその時をやさしく包み込みます。
「醸蔵」で造った
吉乃川のクラフトビール
よくあるご質問やキャップの開け方に関するご質問を掲載しています。
吉乃川が美味しく飲めるお店をご紹介しております。
2017~2024年に行ったフォトコンテストの作品アーカイブ集です。
吉乃川敷地内に「吉乃川 酒ミュージアム『醸蔵(じょうぐら)』」がオープンします。